2024年3月23日 メッツラーフロント110、リア150を手組みで交換
2024-03-23最終更新日 2024-04-07 by motokobi
新型ジクサー150(ED13N)のタイヤ交換をしました。現在の走行距離は1万6千キロで前回の交換から2年弱1万キロ走行しました。今回のタイヤも銘柄は同じでフロントのみサイズ変更しました。
今回は自宅でレバー3本のみで手組みで交換しました。
前回の交換はこちら
その後…Q-Liteという刺客が登場…
最後に少し書いています
目次
純正サイズの確認
純正サイズのメモです。
フロント | リア | |
DUNLOP | K275F | K510B |
構造 | バイアス | ラジアル |
リム幅 | MT2.5 | MT4.0 |
サイズ | 100/80-17 | 140/60R17 |
タイヤ外径(参考) | 596mm | 608mm |
交換したメッツラーSPORTEC M7RRについて
メッツラーの公道用スポーツ系ラジアルタイヤとしては、RACETEC RR K3、SPORTEC M9RR、SPORTEC M7RRのラインナップとなっているようです。
- メッツラースポーツタイヤラインナップ
https://www.metzeler.com/ja-jp/catalogue/motorcycle-type/sports-bike
RACETEC RR K3 | SPORTEC M9RR | SPORTEC M7RR | |
価格 | 4万円以上? | 約3.6万円 | 約2.9万円 |
特徴 | レーシングタイヤの街乗り対応可能なハードコンパウンド版 | スリック的なショルダーと全面シリカコンパウンド | リアは耐摩耗性コンパウンドと100%シリカのデュアルコンパウンド構造と排水性の向上 |
スポーツ系タイヤとしてはM7RRは入門用という位置付けでしょうか。
価格はSPORTEC M7RRは2.9万円、SPORTEC M9RR 3.6万円、RACETEC RR はなかなか見つからず(あったとしても高そう)という感じで、DUNLOP Q5 のような4.6万円するラジアルタイヤと比較するとお手頃なタイヤなのではないかと思います。バイアスと比べてもそこまで高くなく寿命は長い感じなのでランニングコスト的にも良いのではないかと思います。
寿命については後述
今回購入したサイズは、
フロント | リア | |
サイズ | M7RR 110/70ZR17 | M7RR 150/60ZR17 |
適合リム | 3.00-3.5 | 4.00-4.50 |
外径 | 596mm | 624mm |
です。これまでのフロント120/60R17の時は外径が586mmでしたが今回は596mmと純正と同じになりましたが残念ながらこのサイズも適用リム外です。
メッツラーテクニカルデータブック
https://www.metzeler.com/ja-jp/catalogue/technical-data-book
自分はよく分かりませんがメッツラーは全般的に硬めな乗り心地らしいです。
1万キロ走行後のタイヤの状態
M7RRの性格として、フロントは全面100%シリカ、リアはトレッドのセンターの20%が70%シリカで耐摩耗性の良いコンパウンド、そこからサイドにかけてはグリップの高い100%シリカコンパウンドということです。
こちらが1万キロ走行したタイヤの写真です。
リアの減り具合はセンターの耐摩耗性の良さを表しているのか妙に台形のような減り方になりました。
また、フロントは120でリム幅に合っていないこととモトジムカーナとしての特殊な使い方だったこともありフェルトハットのようなツバが付いたような奇妙な減り方になっていました。
溝の残量は、
新品 | 1万キロ | ||
フロント | センター | 4.0mm | 3.1mm |
サイド | 3.4mm | 0.0mm | |
リア | センター | 5.0mm | 2.4mm |
サイド | 3.4mm | 1.0mm |
サイドはともかくセンターは4-5分山という印象でまだ使えそうなので、通常の街乗りであれば倍の距離は行けそうな印象でした。これだけ走ることができれば4年2万キロで交換になるので、グリップも良くハイグリップタイヤらしいカッコイイ感じの見た目なのでなかなか良いタイヤなのではないかと思いました。
しかしリムの適合が…
タイヤの手組み
今回はタイヤの交換を手組みで行いました。
過去には毎週のようにタイヤチェンジャーで車のタイヤを交換していた時期があったので、チェンジャーによる交換の経験はありました。手組みも鉄ホイールでスタッドレスとの組み替えでやったことがありましたので手順はなんとなくは覚えてはいました。
この記事では細かい注意事項は他の情報源に譲ることとして次回作業がまた二年後になると忘れそうなので自分用のメモとして書きます。
たまに過去の記事が役立ちます
記事があまりに読みづらくて絶望することもしばしば
参考になった動画について
方法は youtube に沢山あるのでそちらが参考になると思います。
個人的に参考になったと思った動画は、
- 「中古の15インチタイヤをタイヤレバーのみでビード落とし 、手組みをします【私のタイヤ組み換えの仕方】」
タイヤレバーの向きが分かりやすく説明されている
- 「車のタイヤを手組みで交換するやり方【全行程】」
基本的な流れが今回の自分のやり方とほぼ同じだった
この二本でした。
使用した道具
こちらが今回のメンバーです。
レバーのみで作業したので必要な工具は少ないと思います。
それでも8千円
バイクはいろいろお金がかかります…
タイヤレバー
バイク用はヘラの部分の薄さが勝負ということのようだったのでこちらの二種類を購入しました。
トネ(TONE) パワーグリップタイヤレバー PGTRL-300
メインで使用しました。KTCより安くて先端もKTCより薄くて使いやすかったので安く上げるならこれを3本でも良いかも知れません。
京都機械工具(KTC) タイヤレバー MCOL-260
評判が良いようなのでKTCも1本購入しました。基本的にはTONEの方が作業しやすかったですがビード落としの奥のビードを落とす場合などでKTCの方がかかりが良かったです。簡単にレバーが差し込めない、いまいち力がかかりにくい、このような時にKTCとTONEと入れ替えてやりやすい方を選べたのでKTCも一本あると重宝しました。長さはTONEより短いですが十分で、短い方が取り回しが良くて良い気がします。
ビード落とし以外はさしてレバーに力は不要
素手や足の力は相当使いましたが
リムプロテクター
初めてこのタイプのプロテクター使いましたが、チェンジャーで交換する時は使う箇所が少ないので水道ホースや沢山入っている安いものでも良いと思いますが、手組みではこちらの方が保護性も高いですしタイヤの中に落ち込まないですしヘラとしても使えるので断然使いやすいと思います。2セット4個購入しました。1セット2個では作業はかなり難しいと思います。
虫回し
手元のを使いましたが購入する場合はこのような短いものでないと使えないと思います。
ビードクリーム
洗剤で代用も可能ですが高いものでもないので専用品を購入しました。
3セット(6本)組み換えて半分くらいに減ってきました。たっぷり使っても6-8セット使えそうです。
40g缶で1回2本で約80円。1kg缶だと1回5円。
1kg缶なら200回使える
一生無くならなさそうな量…
空気入れ
最後のビード上げに必要です。強者さんは自転車ポンプでやったりするそうですが自分は電動空気入れを持っていたのでそれを使いました。随分前にコストコで買ったものです。ワックスをしっかり塗ると2kgちょっと入れるとビードは上がるようなのでそこそこで大丈夫と思いますが小さいものだとかなり時間がかかりそうです。
普通の洗剤
タイヤを取り外す時に使いました。普通のバスタブ用の中性洗剤です。
井桁
作業台として2×4で作りました。8ftをホームセンターで600mmにカットしてもらいジグソーで切れ込みを入れて組みました。内内330mmにしました。
ちなみに、平面でやった場合も同じですがこの上でタイヤを押さえつけようとすると下側のタイヤは井桁がいるのでリムより下に行けません。チェンジャーの場合は爪でリムをくわえるので上からタイヤを押さえつければ下側のタイヤはリム面より下に移動できます。
リム面より下に移動できる隙間があるとビードをめくったりする時の反対側のビードをリムのセンターにキープする手間がかなり違う気がします。おそらく馬乗りにならなくてもビードストッパーで楽に作業できるのではないかと思います。
井桁の構造で工夫できると良いですが。
今後の課題
その他
今回は必要な時にヘルプをお願いして一部は二人作業でしたが完全に一人でする場合はこれがあった方が楽そうでした。また、これを使うとタイヤに馬乗りにならなくても作業できるかも知れません(?)
作業の様子
ここからは作業している様子です。
都合で写真はフロントとリアが混ざっています。
取り外し
1. 取り外して井桁に置いて虫を抜きます
ブレーキディスクが上での作業の方が良いかも知れません
2.プロテクターをヘラにして隙間をあけてレバーを入れて隙間を作ってプロテクターを装着します
これも傷の防止です
3.レバーを左右2本はヘラを上向きに差し込んで洗剤を吹いて真ん中のレバーは下向きに差し込みます
4.左右のレバーを下に、真ん中のレバーを上に上げる感じで真ん中からビードを押し下げてビードを落とします
外側はリムの奥を支点にヘラの背でタイヤを押し下げつつ…
中側はリムの淵でヘラの背を支点にヘラの先端でビードの先端を押し下げ
真ん中のヘラの先端をホイールに当てすぎて引っ掻くと盛大に傷が入ります
タイヤを外さなければ見えないところではあるけど
5.ビードが一箇所落ちたら周りを手で押さえていって全周のビードを落とします
写真では左手の力が全然入ってない
実際は左手でギューギューと押さえつけて落としていきます
6.バルブを手前にしてバルブ側からレバーを入れてビードをめくっていきます
レバーの反対側のビードをしっかり足で押さえつけてリムの真ん中に入った状態をキープ
ここがポイントの一つ目です
反対側のビードをしっかりリムの内側に落とし込んだ状態で作業する。手組みのポイントの9割はこれではないかと思います
7.順番にビードをめくっていきます
両面同じようにビードをめくります
8.ホイールを外すために中からレバーを差し込み、反対側に自分は回り込みます
9.ホイールとビードが接触している赤い矢印部分に洗剤を吹き付けて、ホイールの赤丸部分をタイミング良く手で押さえつけながら、黄丸をヒザで下に思いっきり潰しながら押し込んで黄色矢印部分を下に落とすことでホイールを外します
40kg級のコビトには非常に辛い作業…
70kg級くらいの体重が欲しい作業
フロントはレバー二本で押さえつけながらやったのでホイールが傷だらけになりました
リアの写真のやり方はプロテクタがあるので少しやり辛いけど傷がつかない
フロントの惨状はこちら
取り付け
続いて取り付けです。
1.同じM7RRです。フロントは120から110に変更です。
2.ローテーションと軽点を確認します。このタイヤは赤丸(外径最大点)はありますが黄丸(軽点)は無いようです
3.ビードクリームをしっかり塗って手で押さえつけてはめ込みます
この作業はレバーなし
入らない時は少しだけレバーで補助するとこちら側は簡単に入ります
4.裏返してまたビードクリームをしっかり塗ります
クリームが少ないとはめ込みもビード上げも大変になるので惜しみなく
一般人には40gでも一生なくならないくらい十分な量あると思います
それは言い過ぎだろうけど
5.取り外しと反対の作業です。バルブの反対側から入れていき半周まで入れたら後は馬乗りになってもう半周を入れます
すぐビードが上がってきてしまって押さえつけるのに苦労して作業したので写真なしです
ここは二人かがり
外す時のポイントと同じで作業の9割が反対側のビードを真ん中にキープする作業というイメージ
6.ビードが上がったら一部凹んでいるところがなるべく平らになるように反対がわのビードを抑えるなどしてなんとなく全体的に均等になるようにします
完全に平らにはなりませんがある程度修正しておかないとエアが漏れてビード上げができません
7.空気入れをとりあえず4kgにセットして空気を入れていきます
圧が上がっていけばひと安心
8.一分間経過したかどうかで2.1kg程度になった辺りでパンパンとビードが上がりました
この後もう少し高めにエアを入れてビードの密着性を高めてから指定空気圧にすると良いらしいです
ホイールの傷について
手組みで交換すると傷はある程度発生します。ホイールの外側の見えるところの傷はプロテクターからレバーが外れないようにすることでかなり防ぐことができると思いますが、内側の傷は防げないと思われます。
傷つきやすい動作を挙げてみたいと思います。
ホイールにレバーを突き当てた状態でレバーをこじる
ビード落としのセンターのレバーの動作でこれが発生しがちです。外したら使わないタイヤであればビードがちぎれる方がマシなのでなるべく突き当てずに作業を行うと良さそうですが、ビードが滑るのでついつい押し込んでからビードを落としてしまい傷が発生してしまいます。
レバーヘラをリムの内側の上の淵にかけた状態でタイヤをぐりぐり押し下げる
ビード落としの時もそうですし、常にこの操作は発生しやすいです。ヘラを下側にしてもタイヤを押し下げられる場面ではヘラの向きに気をつけることである程度防げそうです。
圧倒的にビード落としの時に傷が発生したと思います
ビードブレーカー必須?
ビードブレーカーは必須では無いとは思いますが傷の発生を減らすためにはあれば良さそうな印象です。
今回はフロントはプロテクターも無しで傷のことは何も変えず作業したところリムの内側も外側もかなりの傷ができてしまいました。
リアはプロテクターも使い傷防止に細心の注意を払いながら作業しましたが、ビード落としの時にヘラの先端で引っ掻いた感覚があり「失敗した」と自分でも分かりました。タイヤが外れて確認してみるとやはり内側に大きな傷が付いていました。ただ写真の真ん中のこの時についた大きな傷以外の傷はほとんど増えず、ついている傷のほとんどは前回までの作業で既に付いていたものではないかと思います。
その後…
ビードブレーカー購入しました
あると断然ビード落としが楽に傷もつくこと無しで作業できるのでこれは購入しても十分元が取れるものなのではないかと思いました。
まとめ
以上新型ジクサー150(ED13N)のタイヤ交換でした。
ホイールに傷が入ると中古で下取りに出す場合には減額対象にされそうですが、わたしのジクサーちゃんは既にそういう感じではなく心おきなくガンガンできるので、今回は手組みにも挑戦してみました。
慣れたとしてもそれなりに体力は必要そうですが、工賃無料で組み替えができるとこれからはタイヤを色々試すようなことが出来そうで楽しみが広がった気がします。
■ ダンロップタイヤについて
モトジムカーナといえばダンロップタイヤではないかと思います。大会のサポートもしてくれているので可能であればダンロップタイヤを購入して業界に貢献できればと思わなくはないところですが…
モトジムカーナでの選択となると、Q5、α14、Q-Lite、TT900GP、Q5A(?)辺りになるのではないかと思いますが値段や温度依存性や寿命の問題でなかなか購入できません。
ダンロップのラジアルはわたしには高いです…バイアスは寿命の短さが…
Q-Liteが救世主となるかどうか
期待してます
Q-Liteで安さを狙うと100/80と130/70にすると2.3万円強
Q-Liteに変更
たまたま中古のQ-Liteが入手できました。新品M7RRで練習会に行った翌週の練習会にたのでさっそく付け替えて今度はQ-Liteで参加しました。
自宅で手組みで交換できるとこのようなお試しができます
M7RRのフロントはAmazonで購入した直後に装着したものなので完全な新品でした。リアも時間は少し経ってしまっていましたが新品でした。これと比べても中古Q-Liteの走りはわたしにとっては良かったです。 M7RR vs Q-Liteで無理やり何かに例えると、
M7RR:走りがめっちゃ軽快な自転車ロードタイヤ(でも乗り心地は硬め) vs Q-Lite:ゆっくりならソフトな乗り心地のママチャリタイヤ
街中の感想だとそんな感じ?
M7RR:ストリートハイグリップタイヤ vs Q-Lite:自走で競技にも使えるタイヤ
モトジムカーナ的にはそんな感じ?
という感じでしょうか。M7RRは新品に慣れなかったというところもありそうですが、この状況でのタイム比で2-3%タイヤだけで違うのではないかと思う感じでした。
これでそこそこのライフがあればこれからはQ-Lite?
そんな期待をしてしまいました
ライフの公称値はTT900GPの6割り増しでしかないからあまり期待し過ぎは禁物かもしれない…
普通の街乗りや高速道路移動だとM7RRの方が良いような気がしますが、モトジムカーナでの選択の場合大先輩のホームページでのお話しではQ-Liteは少しもっさり系とのことですが、そこがわたしには良いのかタイヤが生きているうちはQ-Liteの方が楽しく走れそうでした。
大先輩のインプレはM7RRと比較しての話ではないが…
そうでした(汗(汗
大先輩のホームページで紹介されていたQ-Liteですが今後どのようなお話しになるのか期待しています。
こちらです
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