最終更新日 2024-01-17 by motokobi
新型ジクサー150(ED13N)はバンク角が浅いことで有名です。モトジムカーナをしているとすぐにステップやブーツが削れてきます。とりあえずステップをバックステップ化してさらに上にオフセットするためのバックステッププレートを自作してみました。
目次
ステップが削れる問題発生
ジクサー150はバンク角が浅いと言われていますが、モトジムカーナをするとすぐにステップやブーツが削れて来ます。また、何度も転倒するのはステップなどが地面に当たってしまうのも一因な気がします。
ステップだけではなくサイドスタンドなども接触するのでステップだけの問題では無いのですが、まずはステップ位置を少し上げてみようと思います。
この記事では、ステップ位置をオフセットさせるプレートの市販品の情報と自作での設計と制作について書いています。
市販品のバックステップは
市販品では
- キジマステップアッププラケットジクサー250用
がありました。これは最大で42mmバック/25.5mmアップできるようです。ジクサー250用ですがジクサー150でもフットレストブラケットは共通品番(43521-34J10)なので使えるのではないかと思います(未確認)。
ちなみに、GSX-R125 用はボルトの穴の間隔が違うようです。長穴にして取り付けられている方もいましたが。
このくらいの値段になると制作するコストと労力を考えるとそれほ変わらなくなってくるかも?
移動量が違っています。キジマは42mmバック25.5mmアップ、今回制作するのは25mmバック35mmアップです。
モトジムカーナの場合はあまり後には下げたくないところ
というわけでブラケット自作
小柄な自分は基本的にかなり前の方に座ることになるので、ステップが後ろになると操作がし辛くなりそうです。
ひとまず様子見ということで 25mmバック/35mmアップになるようなブラケットを作ってみます。
制作過程
制作は、
- 作図
- 3Dプリンタで試作
- 材料の検討
- 実際の制作
- 取り付け
で行っていきます。
作図
まずは図面をおこしていきます。目的の穴位置を置いてそれなりな外形を引きました。
ちなみに CAD は FreeCAD です。
3Dプリンタで試作
3Dプリンタで試作して雰囲気の確認をしてみました。
もう少し上に移動しても良いような気もしますが、その場合はブレーキスイッチやブレーキホースの干渉をどうにかしないといけなくなりそうです。斜め後ろにすればまだいけますが、小柄な自分はなるべく後ろにはしたくないところです。
材料の検討
材料はステンレスのつもりが…
加工の容易さからするとアルミですが、それでも一般のアルミだと 8t もしくは10t くらいは必要な気がします。この厚さになるとアルミといえども穴あけすら大変そうです。ジュラルミンになると厚みは減らせますが加工も難しくなり耐食性が無いので表面処理も必要になりでDIYにはハードル高くなりそうです。
また、厚くなると結局外側に出ていくことになるのでバンク角が減ることにもなりそうです。
まずは加工の容易さも考えてステンレス 3t の2枚重ねで試作してみます。容易とは言ってもジグソーで切り出せる最大厚になります。
問題発生
材料が決まったのでホームセンターに行ってみたわけですが….加工が困難なステンレス3tは売れないからなのか置いてなく、アルミの3tまでしか置いてませんでした。
とりあえずコケると一撃で曲がるし取り付けているところがすぐに凹んでくると思いますが、試作ということでアルミ 3t を2枚重ねで作ることにしました。素材的にはA1100です。
未来から登場
1年以上使っていますがアルミA1100 3tx2枚重ねでも時々曲がりはしますがその都度戻せば問題なく使えています。
A5083であれば4tでも良いかも知れません。
耐力はA1100 35N/mm2、A5083 145N/mm2
手元にA5083 3t があるので次回はこれを使う予定です。
アルミを2枚重ねは接着にしました。接着剤は溶接やリベット並の強度が売りのセメダイン メタルロックを使いました。先にアルミで制作したハンドルロックスペーサーでハンドルロックがガンガンぶつかる場所で使用しましたが剥がれは起きていません。今回も期待します。
材料費
近くのホームセンターで購入しました。
アルミ板 | 光 HA3013 (100mm x 300mmx3mm) | 2枚 | @723円 | 1,446円 |
ステンフランジボルト | 8×25(2本入) | 2袋 | @352円 | 704円 |
ステンフランジナット | M8x17(3個入) | 2袋 | @257円 | 514円 |
セメダインメタルロック | 25g | 1個 | 1,200円 |
実際の制作
1. 罫書きと切り出し
プリンタで原寸印刷した物を糊で貼り付けて罫書いて下穴も開けて切り出していきます。
2. 切り出し完了
切り出して8mmの穴を開けます。
4. 接着
溶接なみの強度と言われているメタルロックで接着します。
5.整形
接着したものの外周を整形して9mmで穴を広げて仕上げます。
6.取り付け
実際取り付けてみます。
左のターンバックルで制作したチェンジロッドもギリギリ届きました。これ以上変更するとチェンジロッドの変更が必要になりそうです。
ブレーキホースのクリアランス
ブレーキホースとフレームがかなり近くなるので、これ以上上げる場合は、真上に上げるのは無理なので斜め後ろ方向にあげていくしかありません。
小柄なため前の方に座るのであまり後ろにはしたくないところです。
取り付けた感想
まだジムカーナをしていないのでジムカーナでの効果は分かりませんが、
- 取り付け強度的には街乗りでは問題ないような印象
- ジムカーナで転倒するとさすがに曲がると思います
- 後ろにステップがずれたので足が真下に下ろせるので足つきが少し良くなりました
街乗りでは良い感じです。ジムカーナ的にもまだまだ不足ということはあるかも知れませんが悪いことはないと思います。
ちなみに…ジクサー150のバンク角の浅さはステップの他にサイドスタンドが接地する問題もあります。
その後の注意
(2022年1月追記)
このプレートを取り付けると、ステップの接地問題はいまのところ改善したような印象です。ステップより先にスタンドなどがあたります。
転倒した時にボルト穴から割れることを心配をしましたが曲がりはしますが壊れるということも起きていません。
ただ、曲がって内側に入っていくとリアブレーキのリザーブタンクのホースのクリップがサスのストロークによりチェーンケース(リアサスのところの内側のフェンダー)のボルトに当たっているようでした。
とりあえずクリップの位置をずらしました。
耐久性について
製作時にはアルミ3tの二枚重ねでは弱いかと思いましたが、転倒も片側10回以上していると思いますが時々曲がりはするものの大きな問題は起きていません。
いまのところこの程度の材料でも大丈夫なようですがいずれ割れてくると思うので予備は作っておきたいと思っています。
改善点も特にないので同じ形状になると思います。
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JEREV(ジュレブ)|自動車パーツをモチーフにしたジュエリー
初めまして.
本ブログが検索結果に偶然表示され様々興味深く拝見いたしました.
特にオフセットプレートの作成手順や調整具合の苦労等に共感したため,
本記事にコメントさせていただきます.
2017年式のジクサーを所有しておりアルミA2017の厚さ8mmで作成しました.
これまでにジムカーナの体験走行でハンドルがゆがむ程度の転倒をしましたが,
オフセットプレートは変形せずフレーム側の取り付け部が車体内側に入り込みました.
この条件であっても強度は十分だったようです.
ジクサー150は国内正規販売となる前からユーザの試行錯誤が各所で報告されており,
国内正規となってから所有した私も大変参考にしてきました.
いまやSFや250も正規で扱われユーザも爆発的に増えたことから,
そういった過去の有益な報告やまとめは埋もれがちですが,
Twitterでタグ検索等していただけると参考になることもあるかもしれません.
旧式との比較の面から本ブログは大変有益に感じております.
現行のカスタム等今後ともぜひご報告いただけますと幸いです.
初めまして。数あるHPの中からお越し頂きありがとうございます。
A2017 8t で制作されたお話、材料違いの情報参考になります。
わたしが今回使用したのはA1100P 3t 2枚接着でしたが、転倒すると制作したプレートの方が曲がりはするものの曲げ戻すと今のところ問題ないという感じです。素材的にはアルミの中でも一番柔らかい部類と思いますが曲がっても簡単に戻せるので逆に頻繁に転倒する場合の材料としては良いのかも知れません。ただ、通常の立ちゴケ想定の場合はこの程度では曲がって欲しくないと思うのでA1100Pでは素材的には柔らかすぎになるかも知れません。
費用的には、ワンオフ見積もりを数件してみたのですが、A7075 と A5052 では1割程度の価格差、どちらにしてもキジマのバックステップより数倍という感じでしたので自分でDIYとなりました。
まだまだジクサー乗って行きたいと思っていますのでこれからも情報共有できればと思っていますのでよろしくお願い致します。
初めまして、いつも楽しくブログを拝見させていただきます。
当方もジクサー150のバックステップ化を目指して情報集めをしているのですが
今のところキジマのバックステッププレート(250用)とシフトロッドの交換を考えております。
その際に気になるのがサイドスタンドの足掛け部分ですが、自作なされた今回はどのように対処いたしましたでしょうか?
(キジマの物は切断もしくは曲げ加工が必要なようです)
初めまして。いつも見ていただいているとのことありがとうございます _o_
スタンドの足掛け部分ですが、キジマ製は42mmバック、私のは25mmバックですので私のはそのままでも問題はなさそうな感じですが度重なる転倒で自然に曲がってはいます。
ただ、曲がりの方向はどちらかというと邪魔になる方向でした。
キジマ製はもっとステップが後になるのでこの部分が邪魔になるので、スタンドをかけた状態で言えば真下方向、スタンドをはらった状態で言えば後方向に曲げる必要が出るのではないかと思います。
事前に試されると良いかも知れませんが、この部分の鉄はあまり硬くないようなので(レンチ一つで曲げると溶接部分から折れるかも知れませんが)レンチ二つをかけると曲げられるのではないかとは思います。出来るかどうか軽く試してみられると良いかも知れません。
(写真は曲げる方向が違っていました。実際はスタンドをはらった状態で作業することになるのではないかと思います)
難しそうであれば、わたしはバイク屋さんにオイル交換か何かをしに行ったついでに「ちょろっと曲げてもらえませんかー?折れても文句は言いません」とお願いしてやってもらうかも知れません(やってもらえるかどうかは分かりませんが)。
切断ならば金鋸で簡単に切れると思いますが使い勝手的には良いのか分かりません…
ちなみに…失敗した場合でもこの部品はそれほど高くはないようです。
https://www.webike.net/sd/24850765/
うまく出来ると良いですね。
写真付きで詳しい返信どうもありがとうございます。
突起は試してみたら思いの外簡単に曲がりました。
これなら人力でも切断出来るような気がします。
(バイク屋さんには切断を断られてしまいました 無念)
まだパーツを揃えてないのですが、揃い次第キジマのパーツを試してみたいと思います。
出来る見込みがたったようでよかったですね。
シフトロッドの長さがどのくらい延長が必要なのか分かりませんがうまくいくことお祈りします。